ナンバー2って超大変だぞ!そんで超大切なんだぞ!!という話。

ナンバー2は大変

こんにちは。トニーです。

僕は過去ITベンチャー企業を経営してはいましたが、それはトップという立場ではなく、主にナンバー2としての立場で経営に参加していました。

これも流れではありまして、会社立ち上げをしたら当時No2だった友人が即独立したので必然的に白羽の矢が立ったのが僕だった。というだけのこと。

とはいえ、その経験は僕自身にとってかけがえのないものではありましたし、その立場でしか感じることの出来ない学び、体験も凄まじく大きいものではありました。

今回は、そんな僕がナンバー2として組織に関わっていく中で、学んできたことを「ナンバー2をこれからやる人へ」というテーマで記事に残しておこうと思います。

前提として、僕自身は会社を逃げるように辞めてしまっている。責務をちゃんとした意味で全うできてない。ということは念頭に置いた上ではありますが。

今ベンチャーの役員として働いている人。

組織のNo2的なポジションで戦っている人。

などには一つ参考になればと思います。では、書いていきましょう。

優秀なナンバー2がいるかどうか?で組織の発展度合いは大きく変わる。

まず、大前提として覚えておいてもらいたいのは組織の発展はナンバー2の影響が非常に大きいものがある。ってことです。

これに関しては様々な本で言われていることでもありますし、どの時代でもどの大企業でも、目立つ人の裏には優秀な参謀がいた。といった話は聞くことではありますが、やっぱりこれ、マジな話です。

会社を潰すのはトップで、会社を伸ばすのはナンバー2の仕事。

こんな言葉を好きな本で見たことがありますが、事実だと思います。

理由は様々あるんですが、結局ナンバー2の重要な仕事って何か?というと。

トップの理想の動きと現場の動きの乖離を埋めていくこと。

になります。

どんな組織にしたって、必ずしも組織でありコミュニティである以上、その表に立つリーダー、トップがいることは確定しています。ある意味では組織の行く末、理想の姿を考えることはトップの役割でもあります。

しかし、理想を描いたからと言って必ずしも理想通りに事が進むのか?というと当然ながらそんな訳はありません。一人では出来ないこともあるし、むしろ一人では出来ないことをやるためにチームや会社、組織は存在しています。

となると、トップが持っている理想のために集まっている組織のメンバーは動いてもらうことが非常に大事になるわけですが、当然ながら集まってくるメンバーは人間であり、それぞれ意思を持っています。

例を出すならばワンピースの麦わら海賊団ですね。

ルフィが海賊王になる!!って言ってる所に対して、ゾロは世界一の大剣豪になる!っていうし、サンジはオールブルーを見つける!っていってるし、ロビンは世界の謎を解き明かす!とか言ってるし、ぶっちゃけ向いてる方向って個人単位で見たらバラバラなわけです。

だけどもなんでみんなが一緒にいるのか?っていったら、その大本の目標達成をするためには、その場所にいることが効率がいいって考えもあれば、自分の人生の転機に救われた。という恩もあれば、互いのことを知り、互いの夢を応援したいという人情の部分など様々あるわけです。

あんな漫画ほどドラマチックな展開が常に転がっているのか?というとそういうわけでもありませんが、組織が理想に向かうためにはメンバーのやる行動が理想に対してある程度沿っていなければいけません。

その補佐をするのが、ナンバー2の役割である。ということです。

トップの理想の大きさは組織の限界値を決める可能性

更に前提条件を追加しちゃうんですが、基本的にはトップは組織の理想値を常に高めて考え続けなければいけません。

先程の例ならば、ルフィが海賊王になる!!って話じゃなくて、イーストブルーにてトップ10の海賊を目指す!!

って目標を立ててたら、多分あの物語、3巻くらいで終わってたと思うんですよ。てか始まってすらいないかも知れません。
(確か初期のバギーでイーストブルーのトップ3くらいじゃないっけ)

実際、目標はデカければいい!!って単純なものではありませんが、理想像の高さは組織の限界値に影響する。ってことが伝わるかなと思います。

じゃあ実際に目標を立てよう!といっても、組織の目標は進めば進むほど難しくなる部分もあって

それは自分が何かを成し遂げたいから。という個人的な感情や動機も含めてですが、自分がいる事業の競合の状態や発展性。未来に自分たちがやっていることにどんな事が待ち受けているかの予測。現実的に理想の未来が実現可能かの大まかな予測。実際に社員が食べていくために必要な人件費や、社員の将来を考えての事業の安定性等。

なんかもう書いているだけで頭がこんがらがるくらいの様々な要素をひっくるめて、組織の理想の姿を考え出すのがトップの役割になります。

これはトップの役割。と言うよりかは「そもそもトップしか出来ない役割」と表現を変えたほうがいいかも知れません。

だって、現場の人はそんな組織の理想像を考えるよりも目の前のことをこなすことが大切だし、実際にお客さんが目の前にいるならばそれに集中すべきです。

牛丼屋のアルバイトが(これからの会社の規模感はもっと広がるから、組織としては海外展開に力を入れたほうがいいな・・・)とか考えて目の前の注文したお客さんの牛丼の提供遅れたら「何してんねんお前」って話になりますよね?

その意識の高さは確かに褒められるかも知れませんが、現場にいる人からしたらそもそも使えるお金とか、組織の全体像とか様々な事情などは見えないですし、必然的にそれを考えられるのは上層部の人間だけです。

じゃあ上層部の人間で理想の姿を考えればいいじゃないか!ということになりそうですし、実際にそれも話し合うことはあるのでしょうが、最終的な意思決定にトップが参加することは確定事項でもあります。

それすらも周りが考えて自走している状態!!っていうのならばそれは正直、そこまでの組織を作り上げたことを全力で褒めたいですし、むしろどうやってそこまで作り上げたのか教えて下さい!!レベルの話になるんですが、とりあえずトップが理想像を考えることが大切。というのが伝われば幸いです。

トップと現場の人の話は基本的には噛み合わない

そんなわけで、基本的にトップの人の話と現場の人の話というのは互いの配慮が全くない状態だとしたら見事に噛み合わないことがほとんどです。

別にこれは悲観すべきことでもなんでもなくて、普段から考えていることがそれぞれ全く違うんですもん。

一方は組織の発展のことを考えていて、一方は目の前のことを考える毎日を送っている。

別に互いが互いのことを全く考えてないわけではないでしょうが、行動の役割が違うという事は思考の軸だって違います。

例えるならば、どうやって全体的な売上をあげようか考えている社長と、自分の給料をあげようか考えている社員とでは、見ている目線が違うってことです。

良い悪い、高い低いとかではなくて「違う」ってことです。

で、これは違ってていいし、互いの配慮はありつつも自分たちの思考は自分たちの役割に沿っていてしかるべきです。

この乖離を埋めるのが、ナンバー2の役割だ。というお話が今回の記事のテーマですね。

ナンバー2は圧倒的な組織の潤滑油であれ

一昔前に就活でのトークで「あなたを機械の部品に例えるとなんですか??」という問いに「僕は潤滑油です!機械内の部品の連携をスムーズにします!」みたいな模範解答が流行った。みたいな話がありますが、 僕は

ナンバー2こそ、組織の中で圧倒的な潤滑油である必要がある。

と考えています。

というのも、社長とナンバー2どちらのほうが現場に近いのか?というと基本的にはナンバー2の方が近いわけです。

ともすると、現場の人の意見や思考がわかるのはナンバー2のほうが知っているのが当たり前の状態になる。

で、トップの人の思考を知っているのは組織内では誰なのか?というと、これまたナンバー2の方が知っているわけです。

立ち位置も高いし、距離感だってナンバー2ならばトップとは近い場所にいるはずですからね。

その乖離を埋められるのはナンバー2でしか出来ないことなんです。

もちろんこれは全てを一人でやる必要はないですが、それこそが最も重要な役割であると僕自身は考えています。

結局、組織の強みは一人では出来ないことをやれることにあり、各々でしか出来ないことに全力で集中することによっての相乗効果を生み出すために組織は存在しているからです。

その上で、さっき言ったとおり互いの配慮が0ではそもそも現場とトップの意見は噛み合わなくて当然、それを噛み合わせて相乗効果を発揮するための仕組みや環境を整えていくことはナンバー2が最も適任になるんです。

ナンバー2に向いていると思っている人にぶっちゃけると

で、ここまで書いて置いて

「ナンバー2ってすげー大切じゃん!かっけえ!」

「僕も実は裏方が向いているんですよ、ナンバー2の方が向いていそうです」

「凄いやりがいのある場所なんですね・・・!」

と思ってくれた方がいるかはわからないんですが、経験者の立場から言わせてもらうとですね。


ナンバー2ってめちゃくちゃ大変だし、目立たないし何ならトップよりも覚悟が必要な場所だぞ。

と思ってます。

確かにサポータータイプと言うか人を支えるタイプの人はナンバー2に向いている方もいます。 現に裏方とか縁の下の力持ちに憧れるタイプの方は実際にナンバー2に向いている部分はあるのでしょう。

それでも、向いているからと言って苦労がなくなるわけではないですし、その責任が消えるわけでは有りません。

 

潤滑油、相乗効果を生み出すための起点。って言われたらそりゃ響きは良いんですけどね。実際にやること自体は本当に多岐にわたりますし、思考のバランスを取るのだってめっちゃ苦労します。

さっきの話を例に出せば、そもそもトップと現場の意見って食い違って当然なんですよ。見ている目線も違えば時間軸も違うし、規模感も違う。

どっちが良いというわけではなくどっちが正しいというわけでもない。

ただ、会社のことを考えたり自分が社長のことを考えていて、必死にコミットして行動してたら、現場の社員の考え方に苛ついたりすることだってあるんですよ。

「社長はこれだけのことを考えているし、君のことを考えているのにも関わらず、本当に君は自分のことしか考えてないんだな!」みたいなね。

かと言ってそれをそのままぶつけたら、潤滑油にはなれないわけです。そもそも見ている目線や知っている知識、考えているポイントが違うから食い違ってるのは当たり前。

その上でその乖離を埋めるために社長の思考を共有する場を設けたり、組織の理想を達成することでどうやって社員の人生に影響するのか?給料が上がるのか?労働環境がより変わるのか?その社員のやりたいことにつながるのか?っていうのも時には落とし込んで話さなければいけないわけです。

で、それを話すためにはそもそもその社員の思考も理解しないといけないし、社長が実際に理想に考えている姿も出来る限り明確にしておかないといけない。

それを上手く話せて伝わらなければ、「〇〇さんが俺のことを思っていってくれてるのはわかりますが、内容はよくわからないです」で終わってしまう。

むしろそれは良い方で、本当にナンバー2が社長のことを好きになってたらそこで現場の社員を突き放して嫌われるっていうパターンも少なくはないと思います。(というか、僕自身初期の頃にそれをやらかした経験があります)

仮にもナンバー2で経営者ならば自分が嫌われてでも組織が良くなればそれでいい。くらいの覚悟を持っている人がほとんどだと思いますが、理想を言えばやっぱり、好かれる必要はなくとも嫌われる必要もないなら嫌われたくはないじゃないですか?

特に社長のことはみんな好いているけども、ナンバー2は嫌われている。なんてことになったら疎外感は半端ないはず。

(実際、この状況って往々にしてあることではあるんですが、組織としては悪い状況ではないとは思います。ナンバー2の個人的視点では辛いところではありますけどね。組織として最悪なのはトップが嫌われててナンバー2が好かれてる。みたいな状態が最も最悪です。大抵そういう時はナンバー2が保身に走ってるので)

とはいえ、自分の能力値や経験不足次第ではそんな状況もナンバー2をやるならば覚悟はしておいたほうがいいでしょう。

自分がナンバー2として組織の理想を達成するために尽力するならば。です。

ナンバー2は目立ちづらい

さらに追い打ちをかけるような言葉を書いてしまいますが、基本的にナンバー2の評価というのは数字上には反映されづらい点があります。

なにか事業で大きな成果を上げたとしても基本的には対外的に評価されるのはトップですし、ナンバー2の事を評価するのはその事を理解しているいわばマニアックな人。

業務もわかりやすい営業成績。みたいなことよりも「これやったほうがいいんじゃね?」的なことを見つけることと、それを見つけ次第行動して対処していくような縁の下の力持ち。的な事が多いため数字上では反映されにくいのです。

それこそナンバー2の方が自分は向いているんです。という人の持つ傾向として

「トップほどの責任は取りたくないけども、ある程度の責任感は持ちたい」

「目立つことは向いてないけども、一番じゃないくらいは目立ちたい」

的な考えがあることが多いのですが(これは僕もあった)

実際、目立つことを考えると確かにトップの側なので全く目立たないわけではないですが、実働が評価に繋がりづらいのは事実ですし、その上自分しかわからない重要な部分を担っている感覚もあるので責任はあるけどもその責任の重さも周りからしたら分かりづらい。ってポジションなので。

ある意味ではトップを張るよりも大変なポジションだぞ??

というのは言いたいことではありますね。

ナンバー2は超大変だけども超大切。

とまぁ、色々と言いたいことを書きなぐっては来ましたが、ナンバー2という場所の理解が興味ある人に少しでも伝われば幸いです。


実際に僕自身はナンバー2をやって本当に良かったなーと思ってます。

本当にいろんな事を経験しましたし、なんだかんだで上層部ではありますから組織や経営者が考えている景色が見えることも多かったです。

あとは冒頭のツイートで書きましたが、経営者の人達が考えている事業のスピードや熱量にも直接触れることが出来たのも凄い良かった。

トップの人達が孤独ってことも知れましたし、そしてナンバー2という場所も孤独ということも知れましたしね。結局、人は人と関わって生きていくわけですし、人と関わっていく上でそのポジションでしか経験できないこと。を経験できたのはこれからの人生でも大きなアドバンテージになっていくのは今でこそ実感しています。

本当に組織の発展性はナンバー2によって決まるのは間違いないです。

現に僕に変わって僕よりも超ハイスペックで考え方も優秀で、努力家で、経歴もすごくて、コミュニケーションが取れる人が一度会社に入ったことがあったんですが、めちゃくちゃ会社の業績は伸びましたし、社員数も拡大しましたからね。

今思えば、あれもナンバー2としての力量の差だったのだと思います。悔しい気持ちもありましたが、僕自身その人からは多くのことを学ばせてもらったので感謝しか無いです。


あとは・・・もしこの記事を経営者の方が偶然にも見たならば、是非自分の会社のナンバー2役を担っている人とはコミュニケーションを取ってあげてくださればとは思います。

本当に出来るナンバー2の人はきっと自分からガンガンコミュニケーションを取りに行くこともあるんでしょうけどね。

ナンバー2の人ってどこかしら引け目を感じるフェーズもあるんですよ。

自分は会社を経営している立場だし、何かあった時に責任を取る覚悟もある。だけども実際に責任を取れるわけではないし、リスクを負っているわけではない。とすると考えの深さとか視点って意味だとトップと対等にはなれないのかな・・・って。

正直、これは事実でもあって、ナンバー2やる人は一回は独立して自分自身がトップとして活動する経験を積むのも大事だよなーとも感じます。

自分自身がトップとして活動するとなると向いているとか向いてない関係なく、自分自身の力で先を考えて、責任とってお金稼いで生きていかないといけないですからね。それを経験しているのと経験していないのとでは、自分自身の言葉に力を込められるかどうか?が変わってくる。

かと言っても、現実問題で組織に所属してたらそんな事もなかなかできないですからね。そこを埋めるのって「んなもんがなくとも、君の努力と能力ならば絶対的に役に立てるぜ」っていう信頼関係と言葉なんじゃないかなと。


完全に余談なんですが、とある会社のナンバー2が自分の力不足で社員から総スカンをくらい、雰囲気が険悪になり、全てそのナンバー2が悪いって状況になった後。友だちの前でぼそっと言った一言があります。



「全部自分の力不足なのは理解している。ただ、「お前は悪くないよ」って言ってくれる人が。たった一人でもいいから味方が欲しかった」



と。

トップって孤独です。そもそもトップだろうと現場だろうと誰一人同じ人間はいないっていう目線で見たら、すべての人が本来は孤独なのかも知れません。

だけどもナンバー2もナンバー2として一つ孤独になりやすい立場ではあります。


その事を互いが理解して、互いのリスペクトありきで組織を運営していくことが出来たならば・・・・。


その会社は圧倒的に成長すると思います。トップとナンバー2の相乗効果って、その会社における最大の効果を生み出す相乗効果ですからね。そんな会社が強くならないわけがない。

ではでは、今回はこんな所で。


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